管理会計と財務会計の違いが全くわかりません
会計だから同じじゃないの?
何か明確に区分できる基準はあるんだろうか
なんかモヤモヤする。。。
こんな疑問にお答えいたします。
管理会計と財務会計は似たような言葉ですが
それぞれ使う目的が明確に分かれています。
この記事を読むことで、管理会計と財務会計について理解と区分をする事ができます。
・財務会計とは<過去>
・管理会計とは<未来>
管理会計と財務会計の違いは?
まず結論として、管理会計と財務会計の違いは下記の通りです。
✔ 管理会計は経営者に対する会社内部で使う未来の予測数値
✔ 財務会計は株主や取引先などの外部に報告する過去の実績数値
管理会計と財務会計は扱う数値と目的が違います。
それでは具体的にどこがそれぞれ違うのか、
まずは過去の数値を扱う財務会計からご説明致します。
財務会計とは<過去の実績数値>
それでは改めて財務会計について詳しく説明していきます。
財務会計の目的は?
財務会計の目的は、会社で実際に起きた取引などの過去の数値をとりまとめて
誰が見ても公平な情報にて外部に報告するために、財務諸表を作成する事が目的です。
一般的な経理が処理する内容であると、イメージしてもらえれば間違えないです。
財務会計で作成する書類は?
財務会計で作成する資料は、日々の取引から発生した数字を集計した
損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー・計算書(C/F)などの財務諸表です。
上場企業であれば財務諸表の数値を、有価証券報告書、四半期報告書、決算短信などの
開示資料にして利害関係者に向けて報告する事になります。
また、行政機関としては税務署などに対して、正しい税金を納めるために
申告書を提出する必要があります。
その他にも決算公告など、財務会計を基に作成する書類は沢山あります。
財務会計は誰に向けて?
財務会計の報告先は、株主や取引先など外部で関わる利害関係者に対してです。
消費者、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、
地域社会、行政機関などの何かしらの利益や損害が発生する関係のこと
利害関係者は、開示された財務会計の数値を見て
その会社の信頼性や成長性などを見て、それぞれが必要な判断をしています。
財務会計は誰が見ても公平な一定のルールで作成する事が必要
上記で説明した通り、財務会計は利害関係者の判断を誤らせてはいけないので
法律で決まった公平で一定のルールの数値を作って報告しなければなりません。
公開する数値は『過去』の物で、自由度は限られてしまいます。
管理会計とは<未来の予測数値>
一方、管理会計は会社内部向けの会計です
管理会計の目的は?
管理会計の最大の目的は、いかにスピーディーに正しい
経営判断のかじ取りができる数値を会社内部の経営層に提供できるかです。
管理会計で作成する書類は?
具体的な資料例でいうと、予算実績分析表、事業計画、KPI分析資料などです。
一般的には経営企画などの部署が、毎月の予算進捗のとりまとめとあわせて行います。
管理会計は財務会計とは大きく異なり、予算やKPIであつかう数値の使い方にはルールは 無く最大の目的である経営判断を正しく行えるようにできれば問題ありません。
よって、自由に会計資料を作れるが為に
財務会計と同じレベルで、正確性や緻密性は求められることになります。
管理会計は誰に向けて?
管理会計の数字は、主に会社内部の経営層や管理職に対して作成します。
その数字の基となるのは、各事業部の数字責任者から上がってきたものとなります。
経営者や各事業部の責任者は、管理会計で作られた資料を基に
予算と実績のギャップを埋めたり、軌道修正や撤退などの検討をする事になります。
管理会計の資料作成はプレッシャーがある分、やりがいがあります。
管理会計の数字は社内用と言っても、会社存続の大事な未来への判断材料となるため、
資料作成担当者は大きなプレッシャーを感じることがあります。
大きなプレッシャーがある分、経営に大きく関わる事が出来る為
やりがいは大きくあり、自己成長につながります。
管理会計と財務会計それぞれで経験を積めばキャリアアップにつながります
管理会計は主に経営幹部に近い経営企画が行うものです。
もし、経営者と近い距離で仕事をしたい場合は、
経営企画としてお仕事をする事をおすすめします。
経理からもしキャリアアップをお考えでしたらこちらの記事を参考にしてみてください
→ 経理の転職に強いエージェントを3社に厳選(30代現役経理部長おすすめ!)
今回は管理会計と財務会計について解説致しました。
それぞれの会計目的を理解して、関係者に対して有益な情報を提供できるようにしましょう。
・派遣社員からスタートして30代で経理部長にキャリアアップ
・一部上場企業の国内外連結決算、税務、開示、内部統制、マネージメント経験あり